乳酸菌に関する殺菌温度

私たちの体の栄養素は腸で吸収されています。
腸の働きが衰えてしまうと、必要な栄養素が吸収できなくなっています。
それだけではなく、便など不要なものが蓄積してしまうことで、有害物質を発生させてがんなどの病気を生み出してしまいます。
最近では、がんが日本人の死亡率第一位となっていて、なかでも大腸がんの発症がとても増えています。

このような腸内環境を整えたり、がんなど病気の予防につながるのが乳酸菌の働きです。
乳酸菌は腸内細菌の中でも、善玉菌という腸の働きを活発にする働きがあります。
乳酸菌がしっかり腸の中で働くためには、なるべく生きたままの状態で摂取することが大事です。

中でも乳製品の場合、商品のラベルに殺菌加工と書かれているものがあります。
乳酸菌はどのような状態になると、殺菌されるのでしょうか。
一番の殺菌方法としては、熱を加えるという方法です。

殺菌温度に関しては3つの方法があり、それぞれ殺菌にかかる時間と温度が異なります。
まず一つ目は、低温殺菌法です。
65℃ぐらいの加熱殺菌をした場合は、殺菌にかかる時間は30分程度になります。
二つ目は、高温短時間殺菌です。
72℃以上の加熱殺菌の場合、15秒程度で乳酸菌が死滅します。
最後に超高温短殺菌では、120℃以上の加熱殺菌を行うと、3秒以内で殺菌することができます。
このように熱に弱いという特徴があるため、加熱する際には時間や温度には注意が必要です。

乳酸菌が最も繁殖する温度は40℃前後といわれ、より効果が高い方法で摂取することができます。
また品質を保つためには、乳製品のほとんどが冷蔵保存になっています。
それも温度が低いところであれば、鮮度を保つことができます。

さらには0℃以下の場合は、乳酸菌が仮死状態になるので死滅することはありません。
水分を与えたり、特定の栄養素と組み合わさることで、本来の乳酸菌の働きが復活してくれます。
温度によって乳酸菌の働きが異なるため、殺菌方法に注意して摂取するようにしましょう。